代償分割による遺産の分割
相続財産の現物を1人または一部の相続人が相続し、その代わりとしてその相続人が他の相続人に対して現金を支払うという方法で、相続財産を特定の人が使用する場合などに使われます。
この代償分割がよく使われるのが次のようなケースです。
・特定の相続人が相続財産である自宅に住んでいる
・自社株を後継者に集中して相続させ、議決権の分散を防ぐ
なお、代償分割による遺産分割は、支払う金額の問題や遺産分割協議書の書き方など手続きが非常に複雑ですので、
専門家へご相談いただくことをお勧めします。
代償分割のケーススタディ
① 被相続人の自宅に妻や子が住んでいるケース
例えば、被相続人(亡くなった方)の自宅に被相続人の長男が同居していた場合でも、この自宅は相続財産になるため次男にも相続する権利が発生します。
このとき、他に現預金などの財産があれば、それを次男に渡して平等に分けるということも可能です。
しかし、相続財産がその自宅だけの場合、長男は今住んでいる自宅を次男と分ける必要が出てきます。
このような場合に、長男は次男に相続分相当の現金を支払い、住んでいる自宅をすべて相続するという方法が典型的な代償分割です。
なお、このときに長男が次男に支払う金額は、当事者同士の話し合いで決めることができます。
② 自社株を後継者である長男がすべて相続するケース
被相続人が経営していた会社の自社株が相続財産に含まれる場合、その自社株を相続人の間でどのように分割するかは議決権の問題が絡んできます。
仮に長男が後継者として決まっている場合でも、次男も遺産を相続する権利を主張することができますが、次男に自社株を相続させてしまうと議決権が分散してしまい、その後の会社経営に支障が出てしまう恐れがあります。
このような場合も、後継者である長男が株式をすべて相続し、次男の相続分相当を支払うという代償分割が利用されることが多くあります。
なお、このケースでは長男が個人の財産を次男に支払うのではなく、会社の資産から支払うのが一般的です。
代償分割による支払いの負担に対する生前対策
上記の2つようなケースでは、いずれも代償としての現金を支払う相続人に大きな金銭的負担がかかります。
そのため、この代償として支払う必要がある金額を、生前に準備しておくことも重要です。
例えば、遺言書を作成しておいて、財産をどのように分割させるのかを指定しおくことが重要です。
ただし、それでも遺留分の支払いは考慮しておかなくてはならないので、生命保険を活用するなどして資金を確保しておかなければなりません。
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