相談例30 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?①
なぜ子供のいない方が亡くなった場合、相続手続きは難しいのか?
弊所のお客様の一定割合が「子供のいない方が亡くなった場合の相続」です。その割合は年々増えているように感じます。このテーマについて、少し連続して書いていきたいと思います。
理由としては、「相続にかかわる人が多くなるから」といえるでしょう。
子供のいない夫婦の一方が亡くなった場合、配偶者(夫・妻)は当然、相続人です。
例えば、夫が亡くなったとき、
- ①夫の父母(または祖父母など)が生きていれば、父母がに相続人になります。
- ②夫の父母が亡くなっていても、夫の兄弟姉妹(または甥、姪)がいれば、相続人になります。
今亡くなる世代の方は、まだ兄弟の多い時代に生まれているケースもあり、特に②のケースが多くみられます。
良くある勘違いとしては、「兄弟姉妹までは相続人だと思っていたけど、亡くなった兄弟姉妹は相続人ではいと思っていた」と言われることが多くあります。
民法第889条
1. 次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹
2. 第887条第2項の規定は、前項第二号の場合について準用する。
兄弟姉妹の代襲相続については、再代襲は認められず、被相続人の「甥「姪」までです。
この条文の作り、私も思いますが、なかなかわかりずらいものがあります。
ポイントは「第887条第2項の規定は、前項第二号の場合について準用する。」かと思います。
民法第887条第2項
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
民法第887条第3項
前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
兄弟姉妹の代襲相続は、887条3項を準用していません。よって、このため代襲相続ができるのは「(被代襲者の)子」までに限られています。
(続く)
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