相談例88 (相続全般)②相続した不動産に抵当権が設定されたままです

父が死亡し、横浜市内にある一戸建ての不動産を相続しました。

不動産が空き家になるので売却しようとしたところ、父がずいぶん前に返したはずの銀行の抵当権がそのままになっていると言われました。

銀行に問い合わせたところ、完済時に抵当権を抹消する登記に必要な書類は送付しているとの事ですが、父の家をいくら探しても見当たらないです。

父はルーズな性格だったので、きっとどこかに無くしてしまったものと思われます。

不動産業者さんに尋ねたところ、抵当権を消さないと、売ることはできないと言われました。

どうすればいいでしょうか?

 

【回答】

抵当権などを消す、つまり抹消登記には下記のような書類が必要になります。

 1 銀行(金融機関)が抵当権を解除・放棄・弁済したと認める証書
 2 銀行(金融機関)側の権利証(登記済証)または登記識別情報通知
 3 銀行(金融機関)の代表者の委任状

この中で特に登記識別情報や権利証(登記済証)の再発行はそもそも法律で認められていません。
また銀行の証書の再発行も、かなり時間がかかるのが現実です。

しかし、これらが無くても抵当権を抹消できないというわけではありません。主に次の2つの方法があります。

①事前通知制度
登記識別情報・登記済証を添付せずに登記を申請しますが、その代わりに銀行(金融機関)の代表者の委任状に、銀行(金融機関)の実印で押印して、印鑑証明書を添付します。

後日、法務局より通知書(登記申請の内容が真実かどうかを問い合わせるもの)が、銀行(金融機関)の代表者本店に届くので、2週間以内に真実である旨の返送すれば、登記が完了します。


事前通知制度とは?~法務省~


②資格者代理人(司法書士等)による本人確認情報の提供
司法書士が、銀行(金融機関)の代表取締役や、登記された支店長など面談し、本人確認情報を作成します。これを登記識別情報・登記済証の代わりに添付書面として登記を申請します。

 

一般の登記になじみのない方が考えても、②の方がハードルが高いことは一目瞭然ですね。

このため実務では通常、①の事前通知制度を用います。

事前通知制度をで手続きを行うことが多く 登記完了までの期間が、通常より1~2週間は多くかかります。また相対取引である不動産売買では、安全性を担保できないので、不動産売買の当日でこの事前通知制度を用いることはまずありません。このため不動産の売買が控えている場合は、余裕をもって抵当権抹消登記に取りかかる必要があります。

 

 

司法書士法人近藤事務所では、抵当権抹消や相続登記のご相談にも個別に対応させていただきます。

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