相談例66 (相続放棄)⑤相続放棄をした場合、遺族年金や未支給年金は受け取っていいの?
横浜市に住む父親が死亡し、相続が発生しました。
父親とは横浜市内の自宅で同居しておりましたが、家も賃貸で、父には借金癖があったため、
母親と子供たちである私たちは、司法書士に依頼をして、全員が家庭裁判所で相続放棄の手続きしました。
その後、年金事務所で父親の死亡届を出す手続きをしたところ、未支給年金が支給され、母親には遺族年金が支給されるとの事でしたので、年金事務所の職員の言うがままに手続きを行いました。
未支給年金も遺族年金も、いずれについても相続放棄していたとしても、受領して問題ないとの説明を受けましたが、年金事務所の職員のいう事を真に受けていいのか不安なりました。
司法書士の方に伺いたいのですが、これらを受取った場合、相続放棄を取り消されたりすることになるのでしょうか。
【回答】
遺族年金などの年金は、亡くなった方の相続財産ではなく、年金法などの法律に基づき、亡くなった方と一定の関係があった遺族に与えられるものです。
これは遺族や同居人で生計を同一にする人などに与えられる、固有の権利です。
このため相続とは関係ありませんので、相続放棄しても、遺族年金を受け取ることができます、
また逆に遺族年金を受け取っても、相続放棄できます。
未支給の年金給付は、法律の規定に基づき「生計を同じくしていた」遺族に支給されます。
(厚生年金保険法37条、国民年金法第19条第1項など)。
これもやはり相続とは関係ないため、相続放棄しても受取れます。
最近加入者が増えてきた、私的積立年金である確定拠出年金なども、同様の考え方が適応されることになります。
これは私的年金とはいえ、同様に年金各法令の考え方が適応されるためです。
参考までに代表的な確定拠出年金に関する機関のQ&Aを添付しておきます。
確定拠出年金に関するQ&A|日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社 (jis-t.co.jp)
司法書士法人近藤事務所では、相続放棄のみのご依頼についても、親切丁寧にご相談に対応させていただきます。
ご予約専用ダイヤルは0120-926-680になります。
横浜の相続まるごとお任せサービス~横浜で相続・遺産整理なら (yokohama-isan.com)
土曜・日曜・祝日の面談をご希望の場合はご相談ください。
相談事例の最新記事
- <コラム> デジタル遺産 ~税務署は把握していたアプリの中の相続財産~(後編)
- 出張無料相談会のお知らせ
- 年末年始の休暇のお知らせ
- 相談例110 亡くなった父に遺言書があったが遺産分割をやり直したい
- 相談例109 相続人不存在となった親族所有の不動産を買戻したい
- 相談例108 特別縁故者として認められるのはどのような人ですか?
- オンラインセミナーの開催について
- 相談例107 特別縁故者として相続財産を受領できるのはどのような関係の人ですか
- 弊所代表の連載掲載のお知らせ
- 相談例106 特別縁故者として被相続人の不動産を取得するにはどんな手続きが必要ですか?
- 相談例105 特別縁故者の申立てをすれば相続人でなくとも相続財産の受領は可能ですか?
- 相談例104 相続人不在なら従兄弟の私が相続できますか?
- 相談例103 相続人不在なら財産は自動的に国のものになるの?
- 相談例102 法定後見制度と任意後見制度の違いについて教えてください②
- 相談例101 法定後見制度と任意後見制度の違いについて教えてください①
- 相談例100 遺留分の放棄と相続放棄の違いについて教えてください
- 相談例99 相続登記をやり直すと税金が課税されますか?
- 相談例98 一度登記した相続登記をやり直したい
- 夏季休暇のお知らせ
- 相談例97 相続した不要な農地を処分したいです
- 相談例96 (登記と税金)③ 要らない土地を国に引き取ってもらう制度(相続土地国庫帰属制度)を使いたいです!
- 相談例95 (登記と税金)② マンションの相続登記で必要な税金(登録免許税)を教えてください
- 相談例94 (登記と税金)① 相続登記で非課税になるものを教えてください
- 弊所代表の連載掲載のお知らせ
- <相続に関する時事ニュース> 「一時」成年後見人制度の創設か?
- 相談例93 (相続全般)⑦ 相続人の中に認知症の者がいます
- 相談例92 (相続全般)⑥ 相続人の中に未成年者がいる場合
- <相続に関する時事ニュース> 相続での不動産登記が義務化
- 相談例91 (相続全般)⑤ 夫婦間の贈与に関する特例2
- 相談例90 (相続全般)④ 夫婦間の贈与に関する特例
- <相続に関する時事ニュース> 路線価か、実勢価格か
- 相談例89 (相続全般)③ 農工銀行という銀行の抵当権の抹消
- 相談例88 (相続全般)②相続した不動産に抵当権が設定されたままです
- 相談例87 (相続全般)①相続放棄したい不動産の遺品整理
- 相談例86 (渉外相続)⑦外国籍の方の相続手続きを楽にする方法はないの?
- 相談例85 (渉外相続)⑥在日台湾人名義の父の不動産の相続
- 弊所代表の連載掲載のお知らせ
- 相談例84 (渉外相続)⑤在日中国人名義の父の不動産の相続
- 相談例83 (渉外相続)④在日韓国人名義の父の不動産の相続
- 相談例82 (渉外相続)③外国籍の夫名義の不動産を「相続」したい
- 相談例81 (渉外相続)②外国籍の夫名義の不動産を「処分」したい
- 相談例80 (渉外相続)①半世紀会っていない外国人配偶者からの遺留分請求は有効ですか?
- 相談例79 (相続/不動産)⑰相続した地方の不動産の解体を求められています。
- 相談例78 (相続/不動産登記)⑯従兄弟が死亡しましたが、相続人がいません。
- 相談例77 (相続/不動産登記)⑮父が、遺言書で不動産の遺贈を受けましたが・・
- 相談例76 (相続/不動産登記)⑭遺言書で不動産の遺贈(寄付)を命じられました(相続人が1人もいないケース)
- 相談例75 (相続/不動産登記)⑬遺言書で不動産の遺贈(寄付)を命じられました
- 相談例74 (相続/不動産登記)⑫遺贈の登記をしたいのに権利証が見つかりません
- 相談例73 (相続/不動産登記⑪)相続でも不動産取得税は課税されるの?
- 相談例72 (相続/不動産登記)⑩遺贈の登記ってどうやってやるのですか?
- 相談例71 (相続/不動産登記)⑨法定相続人への「遺贈」登記
- 相談例70 (相続と年金)④内縁関係でも年金はもらえるのですか?
- 相談例69 (相続と年金)③相続後に年金で何か貰えるものはありますか?
- 相談例68 (相続と年金)②年金は相続財産なの?相続税はかかるの?
- 弊所代表の連載掲載のお知らせ
- 相談例67 (相続と年金)①離婚した元夫が死亡しました
- 相談例65 (相続放棄)④相続放棄をしても生命保険金は受け取れますか?
- 相談例64 (相続放棄)③日本国籍を離脱した相続人も相続放棄が必要?
- 相談例63 (相続放棄)②親が相続放棄をした場合、祖父母も相続放棄が必要?
- 相談例62 (相続放棄)①子供が相続放棄をした場合、孫も相続放棄が必要?
- 相談例61 (相続/不動産登記)⑦登記したいが相続人が認知症です
- 相談例60 (相続/不動産登記)⑥相続登記で税金が免除されるケースは?
- 相談例59 (相続/不動産登記)⑤相続登記で税金が免除されるケースはありますか?
- 相談例58 (相続/不動産登記)④相続ではどんな税金がかかるのですか?
- 相談例57 (相続/不動産登記)③それでも住所が繋がらない相続登記
- 相談例56 (相続/不動産登記)②住所が異なる相続登記
- 相談例55 (相続/不動産登記)①権利証が無くても不動産の名義変更は可能?
- 相談例54 (遺言書/相続)例⑭遺言執行者として何をすれば良いか分かりません
- 相談例53 (遺言書/相続)例⑬同性パートナー(LGBT)の方の遺言
- 相談例52 (遺言書/相続)例⑫パソコンのWordファイルで書かれた遺言
- 相談例51 (遺言書/相続)例⑪鉛筆や消えるボールペンで書かれた遺言
- 相談例50 (遺言書/相続)例⑩チラシの裏に書かれた遺言
- 相談例49 (遺言書/相続)例⑨遺言で貰った不動産を拒否したい
- 相談例48 (遺言書/相続)例⑧余命宣告された方の遺言
- 相談例47 (遺言書/相続)例⑦拇印のみの遺言
- 相談例46 (遺言書/相続)例⑥封筒にのみ捺印の遺言書
- 相談例45 (遺言書/相続)例⑤「相続させない」と記載された遺言
- 相談例44 (遺言書/相続)例④英語で書かれた遺言書
- 相談例43 (遺言書/相続)例③日記の一部に書かれた遺言書
- 相談例42 (遺言書/相続)実際にあった遺言書の文例②
- 相談例41 (遺言書/相続)実際にあった遺言書の文例①
- 相談例40 (遺言書)自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについて②
- 相談例39 (遺言書)自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについて①
- 相談例38 【*相続重要判例】子から親への借金に対する消滅時効
- 相談例37 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?⑧(葬儀費用は誰が払う?)
- 相談例36 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?⑦
- 相談例35 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?⑥(課題点3)
- 相談例34 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?⑤(課題点2)
- 相談例33 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?④(課題点1)
- 相談例32 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?③
- 相談例31 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?②
- 相談例30 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?①
- 相談例29 相続発生時に配偶者が老人ホームに入居していた場合にも、配偶者居住権は設定できますか?
- 相談例28 配偶者居住権が設定されたら誰が居住建物の固定資産税を払うのですか?
- 相談例27 共有の不動産にも配偶者居住権は設定できますか?
- 相談例26 配偶者居住権を設定した方がいいケースは?
- 相談例25 配偶者居住権を売却することは出来るのでしょうか?
- 相談例24 配偶者居住権を主張するためには、不動産登記が必要ですか?
- 相談例23 配偶者居住権について教えてください
- 相談例22 遺産分割前の預貯金払戻し制度について教えてください
- 相談例21 自筆証書遺言の法務局保管によるメリットは何ですか?
- 相談例20 自筆証書遺言の制度はどのように変わったのですか?
- 相談例19 信託の登記をしようと考えています
- 相談例18 家族信託制度を使う事は何かデメリットなどありますか?
- 相談例17 娘が離婚することになりました
- 相談例16 認知症の父、妹(知的障害)がいます
- 相談例15 「他に相続人がいないことの証明書」の書式ってあるのでしょうか?
- 相談例14 叔父さんの弟が行方不明でどうしていいか分かりません
- 相談例13 25年前に行方不明になった兄がいます
- 相談例12 相続放棄について
- 相談例11 相続の持分を譲渡したいケース
- 相談例10 父親の相続財産をすべて母親に相続させたいケース(1人息子の相続放棄はキケン)
- 相談例9 被相続人が死亡してから3ヶ月経過してしまった相続放棄
- 相談例8 遺産を受け取らないための「相続分の放棄」と「相続放棄」を混同したケース
- 相談例7 相続税の申告が必要なケース
- 相談例6 前妻とのあいだに子供がいる場合の相続②
- 相談例5 前妻とのあいだに子がいる場合の相続
- 相談例4 付き合いがない疎遠な親族の相続
- 相談例3 相続人の1人が海外に在住している
- 相談例2 被相続人の連帯保証債務の相続放棄
- 相談例1 遠方の金融機関の預貯金の名義変更
-
お知らせ2024/11/13
-
相談事例2024/10/12
-
お知らせ2024/09/27
-
相談事例2023/04/03
-
相談事例2022/12/28
-
相談事例2022/12/22
-
相談事例2022/12/16
-
相談事例2022/11/10
-
相談事例2022/11/08
-
相談事例2022/10/02