相談例56 (相続/不動産登記)②住所が異なる相続登記

父が亡くなり、相続が発生しました。横浜市内にある自宅不動産の名義変更手続き(相続登記)をしたいのですが、法務局で取得した登記簿を見ると、父が以前に住んでいた住所地が記載されており、死亡時の住所とは異なる住所が登記されています

法務局に確認したところ、このままでは登記ができないので書類を用意するように言われました。

司法書士の方に伺いたいのですが、いったい何の書類が必要なのでしょうか?

【回答】

不動産登記の世界では、「住所」と「名前」で本人の同一性を担保します。つまり「横浜市中区」の「甲野A男」さんと「川崎市中原区」の「甲野A男」さんは別人という扱いになります。

このため相続登記の際には、被相続人の最後の住所を証する書面が必要です。

最も手っ取り早いのが住民票除票(本籍で紐づけしますので本籍地記載のものがいいでしょう)となります。

但し、多くの市町村では死亡から5年間が経過すると住民票除票が発行されなくなることもあります。
令和元年に、住民基本台帳法施行令の一部改正(令和元年6月20日施行)により、住民票の除票の保存期間が5年間から150年間に変更になりました。
しかし、改正前に保存期間(5年間)が経過したものについては、引き続き住民票の除票は交付できないことが多いようです。

例えば川崎市では、平成24年度以降に除票になったものについては住民票の除票の交付ができますが、平成23年度以前に除票になったものについては住民票の除票を交付することができません。

川崎市住民票除票の交付について

横浜市の場合は、平成25年3月31日までの除票は保管期間が経過しているため、除票の写しを交付することはできないようです。


 横浜市住民票除票の交付について

また住民票除票には、亡くなった方の最後の住所地と前住所地しか記載されないため、住所が2回以上変更されている場合は住民票除票では繋がりを示せません
この場合、亡くなった方の戸籍附票が必要です。但しこれは亡くなった方の本籍地でしか取得できないため、本籍地が遠方の場合は、取得に行くか郵送で請求しなければなりません。kenrisho


また戸籍に記載されている人の「全員」が除籍になった場合には、戸籍及びその附票が除票戸籍となりますから、それから5年が経過すれば戸籍(除籍)の附票も発行されなる恐れもあります。
また戸籍がコンピュータ化された(いわゆる平成改製原戸籍)場合も、5年間が経過すると戸籍の改製原附票が発行されなくなる市町村もあります。

相続開始から時間が経過した相続登記の場合、こうした住所の不一致のため相続登記をすることが困難になることがあります。早めの相続登記をお勧めします。

司法書士法人近藤事務所では、相続登記のご依頼についても、親切丁寧にご相談に対応させていただきます。
ご予約専用ダイヤルは0120-926-680になります。

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