相談例49 (遺言書/相続)例⑨遺言で貰った不動産を拒否したい

父が亡くなりました。
法定相続人は長男の私と、妹の2名がいます。司法書士の方に頼んで検認の手続きは済ませました。
遺言書で『全ての財産を長男の私に相続させる』旨の遺言がありました。

亡き父と同居していた横浜市内の自宅の不動産は必要なので相続したいのですが
先祖代々の田舎の土地や山林は要らないです。不要です。
ハッキリ言っていわゆる『負動産』です。

この田舎の不動産だけ、遺言書に反して相続を放棄してしまうことは可能でしょうか?

相続登記をしたくありません。

【回答】

結論としては、田舎の不動産だけ相続しないことは難しいと思います。

(東京高決平成21年12月18日)
>相続させる旨の遺言により相続財産を承継した相続人は、原則として、遺産分割事件手続中で遺言の利益を放棄する旨を述べるだけではこれを放棄することはできない。

これは、遺言により既に不動産は相続させる旨の遺言で長男が取得済みで、遺産分割の対象からは外れている。その他の財産は遺産分割により相続人に取得させる内容の決定です。

もしどうしても田舎の不動産を相続したくないということであれば、遺言による相続ではなく、共同相続人の妹さんとすべての財産について遺産分割協議のやり直しが考えられますが、当然に共同相続人の全員の同意が必要になるでしょう。

*本件業務上の経験と個人的な見解とに基づき記載しておりますので、内容の正確性、法的整合性等ついては一切の保証をできかねます。各相続のケースでは各専門家の指導の下、個別具体的な判断お願い致します。

司法書士法人近藤事務所では、遺言書の作成についても、親切丁寧にご相談に対応させていただきます。
ご予約専用ダイヤルは0120-926-680になります。

https://www.yokohama-isan.com/yuigon

土曜・日曜・祝日の面談をご希望の場合はご相談ください。

相談事例の最新記事

Page Top