相談例43 (遺言書/相続)例③日記の一部に書かれた遺言書

父が亡くなりました。

生前、几帳面な性格だった父は、毎日欠かさずに日記を付けていましたが、亡くなる年の日記帳の元日の部分に、【遺言書】と題名があり、遺言のようなものが書かれていました。

これは有効なものなのでしょうか?

これを基にして相続登記などの不動産の名義変更手続きは可能なのでしょうか?

<回答>

結論として、その【遺言書】と記載のあるページにて、遺言者自身の「署名」「捺印」「日付」の記載があり、内容としても遺言と判断するに十分なものであれば、十分有効であると判断される余地があると思います。

いずれにしても日記帳に書かれた遺言との事ですので、自筆証書遺言と考えられます。家庭裁判所での検認の手続きが必要となります。

実際に似たようなケースで、弊所にて横浜地方法務局管内の法務局で相続登記を申請したことがありますが、問題なく登記申請は受理されました。

ただ遺言書の「検認手続き」の上では、日記帳全体が一冊の遺言書あたると考えられますので、家庭裁判所の方は、日記帳全てのページをコピーし、記録を取られていたようです。

(*登記の申請には、遺言とおぼしき当該ページのみコピーしましたが、やはり遺言書として日記帳全体の原本も添付しました)

日記の他の部分まで家庭裁判所や法務局に提出しなければなりませんので、死後にプライベートな事を見られたくない方は、日記に遺言書を書くのは避けた方がいいかもしれないですね。

*本件業務上の経験と個人的な見解とに基づき記載しておりますので、判例等を指し示しているものではございません、内容の正確性、法的整合性等ついては一切の保証をできかねます。各相続のケースでは各専門家の指導の下、個別具体的な判断お願い致します。

司法書士法人近藤事務所では、遺言書の作成についても、親切丁寧にご相談に対応させていただきます。
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