相談例110 亡くなった父に遺言書があったが遺産分割をやり直したい

横浜市に住む40代の者です。昨年父が亡くなり、自筆の遺言書が見つかりました。
ただその遺言書には、横浜市内の自宅の不動産のことのみが書いてあり、
亡くなった父の預貯金や、また遺言作成後に父が取得した別の不動産についての記載がありません。

自宅不動産は母が相続すると書いてありますが、母も十分な資産を持っており、
今後施設に入るために自宅不動差は売却する予定でもあるので、子供らで相続して欲しいという意向を持っています。

遺言内容と異なる遺産分割協議をしたりすることはできるのでしょうか?

【回答】

遺言書で一人の相続人にすべての財産を与える旨が書かれていても、相続人全員が合意すれば、遺言書と異なる遺産分割をすることは可能です。

これは公正証書遺言であっても、仮に自筆証書遺言で、裁判所の検認を受けていたとしても同様です。

 

遺言書の検認の申立書 家庭裁判所

 

実務では被相続人の残した遺言書において、その内容が相続財産の一部しか記載されていないがために、その他の相続財産について遺産分割協議書のやり直しをせざるを得ないこともあります。

その場合は、全相続人が合意の上で行うのであれば、遺言の内容と異なった遺産分割協議を行うことも可能とされています。仮に遺言で遺言執行者が選任されていたとしても、遺産分割協議を行って遺産の分配を決めることができます。

なお、遺産分割協議をやりなした場合、税金が発生する可能性があることは、以前の相談事例でも申し上げました。
いったんなされた遺産分割協議書をやり直す、いわゆる「合意解除」の場合、新たな財産権の移転と見なされ、贈与税または不動産の所得税などを課される可能性があるという点です。

相談例99 相続登記をやり直すと税金が課税されますか? | 横浜の相続丸ごとお任せサービス (yokohama-isan.com)


今回のとうに遺言書をがあった場合に、相続人全員の合意で遺言書を撤回し、遺産分割協議をやり直すケースでも、遺言で一旦相続の効果が発生し、分割協議により財産のやり取りすることになるから、贈与税の問題は生じるのではないかと言うことをよく聞かれます。
特に「相続させる遺言」の場合には、相続発生時に当然に遺産分割の効果が生じるので、遺言書と異なる分割協議をすると、贈与税が発生するように見えます。

 

ただ遺言書の相続発生した相続財産委つき、相続人全員の合意により遺産分割協を行ったのならば、これは贈与税または不動産の所得税ではなく、相続税での課税となるのではないでしょうか。

あくまで相続の実体などにもよりますので、この点は税理士などに確認をしておいた方がよいでしょう。

 

 

 

このページの執筆者 司法書士 近藤 崇

司法書士法人近藤事務所ウェブサイト:http://www.yokohama-isan.com/
孤独死110番:http://www.yokohama-isan.com/kodokushi

横浜市出身。私立麻布高校、横浜国立大学経営学部卒業。平成26年横浜市で司法書士事務所開設。平成30年に司法書士法人近藤事務所に法人化。

取扱い業務は相続全般、ベンチャー企業の商業登記法務など。相続分野では「孤独死」や「独居死」などで、空き家となってしまう不動産の取扱いが年々増加している事から「孤独死110番」を開設し、相談にあたっている。

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